銚子市市議会議員

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政権交代に期待すること---




月刊誌「まなぶ」より原稿依頼があり、2009年11月号に掲載されました


トピックス
病院休止を強行する市長
なぜ市立病院を求めたのか
病院再建は街づくり



「ハコモノを軸とした街づくり」から「医療・福祉を軸にした街づくり」へ

千葉県・銚子市議会議員 加瀬庫蔵


病院休止を強行する市長
 市立総合病院閉鎖の危機は二度ありました。一度目は2006年。国の医療政策とくに医療費改定による診療報酬の引き下げ、新臨床研修制度の導入と元市長の政策で13人の医師と約50人の看護師が退職することにより起こりました。

 その都市の市長選挙では「病院を守る」と訴えた候補が市長となり、病院再建の努力が始まります。「光見えた、市民の寄付で応援」(朝日新聞)「内科系の入院再開、医師確保にめど」(読売新聞)「閉鎖を懸念されていたが、危機を脱した」(医療タイムス)等々と報道され、08年度は「24時間救急の受け入れ態勢の確保」などを目標にできるまでに回復しました。

 ところがこの意味がわからない市長は、「意思は一人もいない」「これ以上の資金投入は市が夕張になる」等、病院が立ち直ったら困るかのような態度を示し、病院長は辞任に追い込まれ、08年9月末には、突然、病院休止を強行しました。

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なぜ市立病院を求めたのか
 銚子市には、民間の診療所(200床、45ヶ所)と170床のベットを持つ二つの民間総合病院、77床のベットを持つ民間の病院が二つあり、産婦人科と小児科もあります。医師の数は全国平均を大きく下回っていますが、「民間病院が充実している」と言う声もあります。そんな中、なぜ市民はリコールが成功するほど「市立病院」を求めたのでしょうか。

 銚子市の平均寿命は県下最低で、とくガンの死亡率は全国平均の1.3倍、千葉県平均の1.6倍です。その原因として、高度医療が受けられない、魚の町で塩分を取りすぎている、利根川の最下流で飲料水の水質が悪いことなどが取りざたされています。そのような中、市立病院には37人の常勤医師(日勤医を含めると約50人)が常時存在し、外科・脳外科があり、心配停止の患者も受け入れられるなど多くの市民が救われてきました。

 07年からは、国の政策に反して療養病床とリハビリ病床を開設し、行き場のない患者さんや家族が救われました。また、銚子市は妊娠中毒症の多い地域で、市立病院では助産婦と保健婦の連携で妊婦宅への訪問や食事のケアを通じて大きな成果を上げ、県内でも高く評価されてきました。公立病院として福祉も兼ね備えていたことが市民に信頼される大きな要因でした。私は、ここに公的医療の役割があると思います。病院に支えられ生活をしていた市民の存在、「二次救急の病院」と「福祉を兼ね備えた病院」であったことが、リコールに多くの市民が集中した大きな要因でした。
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病院再建は街づくり
 リコールによる市長選挙では病院休止のきっかけを作った元市長が当選する皮肉な結果となりましたが、当選後の市議会で「最優先かつ最大の課題は『市立病院の再開』と述べており、今のところは「市立病院の再開」に取り組んでいます。しかし、「民間病院が充実している」銚子市で「なぜ市立病院が必要なのか」について市長はまったく触れていません。

 市立病院休止の直接的な原因は「市財政の悪化」です。一般会計の規模が218億円(09年度当初予算)の銚子市では、当選した現市長とリコールされた前市長で、大学誘致92億1500万円、保健福祉センター建設22億3140万円、大規模事業90億3600万円(07年度8月現在)もの支出をしていました。07年度は凍結決算で50億円黒字なのに、財政調整基金(収入を調整したり急激な税の落ち込みや災害などに備えるため、地方財政法で義務付けられている基金)は600万円台となり、市財政は最悪の状態になりました。しかも、小泉改革での地方交付税と臨時財政対策債(地方交付税の不足分の一部をとりあえず臨時財政対策債として地方自治体に借金させ、その返済時に地方交付税として地方自治体に返すというもの)の削減、社会保障費の削減(5年間総枠1兆1千億円)などで大幅に収入が減っているにもかかわらず「ハコモノ」をつくり続けたのです。その結果、「これ以上の資金投入は市財政が破綻する」という状態になりました。

 いま、銚子市では、県下最低の平均寿命と合わせ「少子高齢化」に直面しています。65歳未満の人口が減っており、この10年間では単身の高齢者と夫婦だけの高齢者が非常に増えています。その9割が年収200万円以下の生活を強いられています。銚子市は「ハコモノを軸とした街づくり」ではなく「医療・福祉を軸にした街づくり」をめざすべきです。その中で、今ある産業を考え検討する政策の転換が必要です。その一つとして、市立病院の役割を明確にし、全国kの医療関係者に示すことが必要です。なぜなら、いくら「最優先の課題は『市立病院の再建』」と市長が述べてtも、医師や看護師・医療スタッフを強制解雇した自治体を医療関係者は信用しないからです。

 今そのようなことを考えながら、市民と一緒に考え、作り上げようと努力を始めたところです。新政権にもこうした努力を応援し欲しいと考えれています。

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