銚子市市議会議員

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2010年06月一般質問

2010年06月議会一般質問
加瀬庫蔵


 今年の5月、札幌市で「読売北海道医療フォーラム」が開かれ、この中で、「住民のための地域医療再建」と題した基調講演が行われました。講演者は、長野県諏訪中央病院鎌田實名誉院長で、その講演要旨が5月下旬新聞報道されました。内容は「地域の医療問題を解決するのは総合医だと思う」という事を前提に、「36年前累積赤字4億円の諏訪中央病院に勤めた」経験から「脳卒中が多い地域だったので、年80回、地域で健康づくりの会合を開き続けた結果、有数の長寿地域となった」「医師は助けてなんぼだから、救急医療や高度医療の充実は大事だが、限界もある。進歩と同時に温かさが必要。それを若い医師や看護師に伝える事が大事だ。疲れ切っている若い医師たちにぜひ、「ありがとう」の言葉をかけてほしい。その一言が気持ちを奮い立たせる。医師はよくしてもらえれば、『ここで働かせてもらいたい』と思う。地域医療の再生はやはり、人間の心だと思う」という内容でありました。

 そこで市立病院であります。「小さく産んで大きく育てる」と言う笠井先生の情熱により再開しました。確かに「困難を背負った船出」「これからの道のりも超難問」である事には変わりはありませんが、笠井先生が来てくれなければ、再開は出来ませんでした。笠井先生の情熱に敬意を表したいと思います。

 市立病院の再開に対して、市民や識者の意見が寄せられています。一つは「再開は歓迎、課題は救急と高齢化医療。1年後を見守りたい」という事に代表される市民の思いであります。これは、多くの市民の共通の感想であろうと思います。二つは「長期間休んでいた事から、別の病院で診てもらっているからもう来ない、内科だけではだめだ」という感想であります。その中で、共通しているのは2次救急病院の必要性であります。

 全く別の角度からの意見提起もありました。内容は「病院再生には、医療、福祉、健康づくりを地域全体でどうするかという理念や方向性が必要。休止となった反省を生かさないとうまくいかない」という事と「オープンした以上、住民も含めて地域が一体となって病院を支える必要がある」という意見であります。これは、市立病院再開に対して、読売新聞の取材に応じた城西大学井関准教授の意見であります。

 これらの意見を踏まえて、改めて市長が市立病院再開に際して何を言って来たのかを思い出したのであります。私を含め他の議員からの「病院の将来像を市長はどの様に考えているのか」「再開に向けて、全国の医師や医療関係者へ何を発信して、銚子へ来てもらうのか」等々の質問に対して「再開は、市民の要求。市民は2次救急を望んでいる。病院の将来像など全て専門家集団である準備機構に委任している」要旨この様に応えてきたのであります。

 そこで質問を致します。

 再開した市立病院へ、全国の医師や医療関係者を招聘するために、銚子市として、どの様なメッセージを発信しようとしているのか伺います。


 今議会の冒頭、市長挨拶がありました。「全国の医療界・自治体が注目する市立病院の再開」を述べながら、「今後、議会でも取り上げられているメディコポリス構想やコンパクトシティ構想などを銚子市の将来におけるまちづくりの主要テーマと見据えながら、市民の皆様と意見交換の場を設けたい」という事でありました。そこで、メディコポリス構想についてこの様に市長が述べられましたので、銚子市の現状を踏まえて伺ってまいりたいと思います。

 この構想は、1988年に医師であり医事評論家の川上武氏により出版された「農村医学からメディコポリス構想へ=若月俊一の精神史=」の中で、この用語がはじめて使われ「医療・福祉都市」とも表現しているものであります。川上氏は、この中で「農村地域の高齢化は、医療・介護ニーズを増大させる。これを逆手にとって医療・介護事業を展開、これを地域活性化につなげ地域再生を図るという構想」であると述べています。そしてこれは「佐久病院固有のものではなく全国に普遍性がある」とも指摘しています。

 この事に付いて、故若月医師と共に歩んできた宮本憲一滋賀大学元学長、大阪市立大学・滋賀大学名誉教授宮本健一志賀大学名誉教授は、「若月医師は佐久病院において農村医療ひいては地域医療の基本的なあり方を示した」と説明しています。すなわち「医療の基本的なあり方は病気を治療する以前に住民の健康を保全する事にある」「病気は患者が自ら治すものとして医療を文化活動・教育活動とした」。さらに「在宅医療・介護などを総合した福祉事業と医療を結合させ、保健・医療・福祉・文化・教育の総合こそ地域医療の進むべき道」であると述べ、「地域の住民が主体となって健康な街づくりをする構想」である事を「佐久地域の調査から・・公共事業に依存した自治体よりも、『医療福祉自治体』の方が所得・雇用などの経済的なパフォーマンスが高い事を証明した」という経験を述べながらより具体的に説明しています。

 この様に、「地域住民が主体となって健康な街づくりをする」という理念を、具体的な形で実践している自治体や公的な病院は全国にあります。その中の一つに岩手県藤沢町と藤沢町立病院があります。この病院の佐籐院長は、藤沢町長と共に「病気を診るだけの医療では限界」「医療の支えがない保健、福祉がいかに無力か」という事で、町立病院を司令塔に「健康を守る保健」「命を守る医療」「暮らしを守る福祉」が一体的に機能できるように「地域包括医療サービス」を実践しています。その目的は、「長命(生物学的な延命)と長寿(生きがいや喜びを見つけ、質の高い人生)は違う」「人の手を借りず生活が出来る『健康寿命』を延ばす事が地域医療の究極の目的」「病気を治す医療に加え病気を予防する医療。その為には、病気を見る医療から暮らしを見る医療への転換が重要」であるとして、具体的にその様な地域包括医療のシステムを作り実践しています。その基本は、「地域の皆さんに、病院を理解してもらう『地域ナイトスクール』を開催し、情報の共有・対話」であると述べ、ここでも「地域の住民が主体となって健康な街づくりをする構想」という事の実践が行われています。この様な、佐籐院長の理念と実践を学びたいと多くの医師がわざわざ休暇を取り「医師応援」という形で、この病院に来ているそうであります。

 そこで伺います。


1つ、 市長の言う、メディコポリス構想について「銚子市の将来の主要テーマと見据えながら、市民の方々と意見交換する場を設けたい」と述べられた趣旨について、具体的に説明をして頂きたいと思います。

2つ、 医療と介護、医療と福祉政策について、市長は基本的にどの様な考えを持っていますか伺います。


 市立病院が再開され、今後は銚子市における地域医療のあり方が大きく問われてくると思います。なぜなら、銚子市には、45の診療所、170床を持つ2つの民間総合病院、70床を持つ民間病院があります。この病院一つひとつが銚子市の地域医療を支えてきた病院であり医師の皆さんであります。市立病院再開に伴って、これらの病院いわゆる銚子市医師会の皆さんと銚子市の地域医療のあり方について、何をどの様に話し市立病院再開へとなってきたのかが、今後の地域医療にとって極めて大事であります。

 また銚子市は、以前市立病院への医師の確保、看護師を含めた医療スタッフを確保するために、奨学金制度を設けておりました。市立病院休止に伴って、この制度が廃止されました。最近では、山武市が「さんむ医療センター」の医師確保を目指して、大学の医学部生を対象にした奨学金制度を制定するとの報道がありました。

 そこで伺います。


1つ、 市立病院再開に伴って、市内の民間総合病院を含め銚子市医師会の皆さんと銚子市の地域医療のあり方について、何をどの様に話し合ってきたのか伺います。

2つ、 市立病院再開に伴って、医師や看護師の確保のため、奨学金制度の復活を検討してはどうか思いますが、市長の見解を伺います。


 市財政について質問をいたします。

 前回3月議会で、市財政の厳しい原因について市長答弁がありました。「その一つは、三位一体改革による地方交付税の減少。二つは、人口減小、少子・高齢化、産業の停滞による市税収入の減少。三つは、20年度決算で全会計32億円なる膨大な未収金。四つは、病院事業への繰り出し金。五つは、水道事業から病院事業への長期借り入れに対する返済。六つは、下水道事業へ平成16年から20年度までの5年間で24億2000万円等、特別会計への繰り出し金。七つは、職員人件費。八つは、以上のことから基金現在高がほとんどなくなってしまった」等々でありました。そして更に加えて、「各種施設の老朽化により維持管理費の増額、大学の建設費補助で借り入れた地方債の償還が、厳しい市財政の原因である」と答弁されました。

 市財政の厳しい原因の第一番に地方交付税の減少を上げた事は全くその通りだと思います。特に、「04年のショック」と言われるように、交付税の減額と同時に臨時財政対策債まで減額された事から、地方財政には非常に重く影響しました。確かに、平成20年度は地方交付税が若干増額され、平成21年度は地方交付税に加えて臨時財政対策債も増額されています。しかし、平成16年度から減額され続けた事による、市財政への影響は重大です。

 また、市税収入の減少も大きな問題であります。市税収入の減少の原因として述べられている「人口減少、少子・高齢化、産業の停滞」も大変な課題であります。

 私は、平成14年度以降の市財政の推移を、大規模事業による一般会計の支出と借り入れた地方債の額を加えて検討すると、厳しい市財政の原因で、強調しなければならない所が見えてくると思うのであります。

 まず一般会計の状況から見ていきますと、「公債費比率」は、平成18年度・19年度はそれぞれ11,2%、11,8%で共に11%台でありました。平成20年度は一気に14,7%と跳ね上がっています。これは、一般会計の財政構造の弾力性を判断する指標で、一般的に10%までが青信号、15%までが黄色信号、20%を超えるとレッドゾーンといわれているものであります。平成20年度は黄色信号ギリギリであります。

 「公債費負担比率」はどうか、この比率が高い程、財政運営の硬直性の高まりを示すと言われ、15%が警戒ライン、20%が危険ラインといわれているものであります。銚子市は、平成18年度13,4%、平成19年度14,3%、平成20年度17,2%となっていて、平成20年度は警戒ラインを超える状況となっているのであります。

 今は表示されないけれども、「将来債務比率」であります。前回3月議会では「平成22年度分として計算すると、303%程度になる見込み」である事が示されました。この「将来債務比率」は、起債総額と債務負担行為の合計を分母に、標準財政規模を分子にして算出する事から、一般的に150%程度が望ましいとされるものであります。

 その様な現状を踏まえて以下質問を致します。


1つ、 市税収入の減少について「人口減、少子・高齢化、産業の停滞」がその原因と述べられていますが、もう少し具体的に説明して頂きたいと思います。

2つ、 平成21年度決算で、「公債費比率」「公債費負担比率」「起債制限比率」はどの位になりますか伺います。また、それぞれ22年度決算見込みも分かれば示していただきたいと思います。

3つ、 連結決算で示される「実質公債費比率」「将来負担比率」は平成21年度決算と平成22年度決算見込みはどの位になりますか伺います。また、市立高校新築、給食センター建設費と土地購入費を加えた額でのそれぞれの率はどの様になりますか伺います。


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