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第6回地域医療政策セミナー報告


 以下に報告する「第6回地域医療セミナー」は、全国の自治体議員を対象に「都市センター」(東京都)で開かれた。私自身が注目している長野県佐久総合病院の医師色平氏の報告があることから、楽しみにしていたセミナーである。色平医師の報告は本当に勉強になった。
 しかし、それ以上に総務省の「自治体病院の現状と課題」と題した講演は興味深かった。それは、全国で900を超える公立病院の中で7割の病院が赤字で苦しんでいる中、当該行政市立(○○市立○○病院)の病院が黒字経営をしているという報告だ。その中身を詳細に提起できないが、内容は大いに参考になった。これからの市立病院再生に向けて研究する材料となった。その一旦ですが報告したい。


第6回地域医療政策セミナー報告


2010年10月18日
加瀬 庫蔵

 平成22年10月14日、都市センターホールにて全国自治体病院経営都市議会協議会第6回地域医療政策セミナーが開催された。内容は、二人の講師による講演で、一人は、総務省の辻井課長補佐で、「自治体病院事業の現状と課題」。もう一人は、色平哲朗佐久総合病院医師の「金持ちより心持ち」=信州の農村病院の取り組みから〜すきなひとと、すきなところで、くらしつづけたい〜だった。

・自治体病院の現状と課題から
1、 黒字の病院の事例

 総務省からの提起は、「経常損益が黒字の事例」として岩手県藤沢兆民病院をはじめ5病院の経験が報告された。「地域包括ケアの実践により在院日数を短縮するとともに、高性能医療機器の整備により高度な検査を実施。特に訪問診療を説教的に実施」(岩手県藤沢町民病院)、「病棟再編成と施設基準の見直し等による病床利用率の改善。また、夕暮れ診療など患者のニーズを踏まえた診療体系を採用するとともに地域包括ケアを実践」(秋田県横手市立大森病院),「地域ニーズに応えた地域包括ケアの実践による多数の患者の確保と、計画的な設備投資(企業債残高は年間収益の半分)の実施」(尾道市公立みつぎ総合病院)「地域のかかりつけ医と連携し紹介患者の増加に努めるほか、退院調整チームの取り組みにより、高い病床利用率の確保と在院日数の短縮化を両立。また、救急・透析などの政策的医療を積極的に提供し、外来患者単価の増加」(香川県三豊総合病院)、等々が報告された。
 共通して言われたことは、@地域包括ケアによる在院日数の短縮、A診療時間の工夫、B高性能医療機器の整備と訪問診療の実施、C病棟再編成と施設基準の見直しによる病床利用率の改善、D計画的な設備投資・企業債残高の縮小、E救急・透析など政策的医療の実施、等々の努力の中で、公立病院を黒字にして来た経験が話された。
 特に、第一番目に言われた岩手県藤沢町民病院の取り組みは多いに研究しなければならない。私も、ここでの取り組みを参考にしながら、銚子市にあった地域医療の在り方を提起している。

2、 そのほかの例

 「独立行政法人化」「指定管理者の導入」「医療機能の再編・ネットワーク化」による改善の成功例が紹介された。
3、 上記を参考にしながら

 全国で900を超える公立病院の中で、7割の病院が赤字経営を強いられている。その中で、約3割の病院が黒字かぎりぎりで頑張っている。このように頑張っている公立病院の現状を丁寧に学ぶ必要がある。
 極めて当り前ではあるが、公立病院の存在は、単に「病気を治す」だけでなく「命を守る医療・暮らしを守る福祉・健康を守る保健」(藤沢町民病院)を一体として取り組む地域包括ケアにより地域住民の暮らしを支えている。まさに、行政と医療が一体となっている。ここに公的病院の役割が明確となっている。

4、 総務省・公立病院改革ガイドライン

 「経営効率化」「再編・ネットワーク化」「経営形態の見直し」の3つの視点を前提に改革を行うとなっている。現状で充分改革が可能なところを前提とした提起となっていない。全部適用、一部適用の病院をまず民営や独法にしなければならないと読めるようになっている。
 改革の柱は、まず地域医療にどのくらい役立っているか、そこから考えないで、経営効率を第1に考えた提起になっているからこのようになってしまう。


・金持ちより心持ち
 佐久総合病院色平医師は、「何故病気になったのか、病気になる前はどのような暮らしをしていたのか」ということを話していた。単に病気を診るだけでなく、暮らしの中から病気を考えることを話された。
 長野県佐久地方は、かつて脳卒中が多く平均寿命が大変短かったことから、住民の暮らしの中から地域医療の大切さを取り組んだ地域だ。今は平均寿命が長くなっただけでなく、全国で最も高齢者医療費の低い県の一つとなっていて、それだけ住民にやさしい医療が提供されている。
 このような考え方を、10項目にわたって話された。大変参考になった。これからの銚子市における医療政策に生かすことが大事になっている。

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