銚子市市議会議員

加瀬 庫蔵(かせ くらぞう)の公式サイト

Kurazo Kase Official Web Site

2011年09月議会議案討論

 2011年9月議会の焦点は、市立病院今年度赤字分の増額です。これに対して、市長は赤字増額分の原因を隠し、市立病院再開を求める市民要求を逆手にとって「赤字補助金は高いか、高いならやめるか」と市民と議会に迫っています。
 このような市長の態度に対して、赤字分の真の原因や病院存続について、現実的な提案を含めて議案討論をしました。以下その内容です。

2011年9月議会議案討論


2011年9月29日 加瀬 庫蔵


 市立病院への赤字増額分が計上されている議案第1号「平成23年度銚子市一般会計補正予算(第4号)」、議案第3号「平成23年度銚子市病院事業会計補正予算(第1号)」について、所属する委員会では「不本意だが賛成」との態度表明をしました。委員会やその後の市長の言動及び態度を再検討した結果、この議案が通っても市立病院の再生には結びつかないことが明確になりました。資金ショートを起こしても、轟院長を軸に笠井元院長を招きいれ、現在の病院スタッフと市再生室が中心になれば、市立病院は存続できます。

 そのような立場から、議案第1号、議案第3号について、以下の理由により反対をいたします。


第1に、尋常でない市長の言動と行動は市立病院再建の危機であると言わざるを得ません。

 市立病院の再開を公約とした市長が、今議会で突然轟市立病院長の批判を繰り返し、あろうことか、自らのブログで再度批判を繰り返したのであります。

 それは、病院再生室が明らかにしたことから分かった事ですが、9月9日再生機構理事会で「轟院長の契約更新はしない(10月いっぱいで事実上の解雇)」との決定をあらかじめ知っていたかのように、突然の現職病院長の批判の連発であります。

 議会だけでなく市長自らのブログでも病院長の批判を繰り返しました。「医療崩壊の象徴」として広がった銚子市長のブログですから、全国の医療関係者のみならず、銚子市に理解を示そうと考えている全国の医師の皆さんも見ているのであります。

 また、市立病院再開に尽力してくれた笠井源吾元市立病院長に対しても、筆舌に表す事が出来ないほどの汚い文書で批判を繰り返し、これまた自らのブログで発信しています。

 このような市長がいる市立病院に、常勤で来てくれる医師は極めて難しくなったのではないかと思います。市長は、再開した病院をつぶそうと考えているのかと思うほどであります。尋常でない市長の言動と行動は市立病院再建にとって危機であります。

 笠井元院長は、循環器内科のスペシャリストでありました。自らの出身大学を始め、さまざまな医療機関を訪問し、医師確保に尽力され少しづづ成果が見え始めたところに、一方的な院長交代の通告でした。これほどの人材を一方的に退職に追いやったのは「機構」であり市長でありました。

 轟院長は、外科では日本でも有名で、多くの著名人が名指しで診療や手術を依頼されるような医師であります。現に、常勤医師の2人は轟院長が連れてきた人であります。轟院長の存在が、常勤医師を集める大きな武器となることは火を見るより明らかであります。

 この二人の医師の存在は、単に院長や常勤医師というだけでなく、循環器内科と外科の専門家ということから、二次救急へ踏み出す大きな力であったのであります。「機構」と市長はこの二人の医師を事実上追い出す、あるいは追い出したのであります。

 このような「機構」と市長の態度は、市立病院再生を自ら破壊し、その結果生ずる膨大な赤字を、市民の税金で負担させようとしています。この膨大な赤字に反対することは、市立病院を休止に追い込むことだと主張し、反対する人は「市民の敵だ」といわんばかりであります。自ら膨大な赤字の原因を作り、その責任を市民の負担させるようなやり方は、やめるべきです。


第2に、10月以降、内科・外科の常勤医師はゼロ、非常勤医師だけでは真の地域医療からかけ離れていくことになる。

 今年の8月に市立病院副院長が辞めたことが明らかになりました。就任5か月で副院長が辞めたことに対しても「自己都合で・・・」と詳しい理由の説明はありません。轟院長の任期は10月いっぱいのようですので、10月以降は、内科・外科の常勤医師はゼロになってしまいます。このような状況になっているのに、市長は「後任の院長は聞いていない」「専門家集団に任せているのでこちらからは聞く立場にない」旨の答弁を繰り返しています。

 内科・外科の常勤医師がゼロという事は、「8月の患者は4100人に到達し、中規模病院に成長した」といくら市長が豪語しても、主力は非常勤医師であり、「機構」のいう「民間医療機関による提供が困難な医療、すなわち救急・小児・周産期・災害・精神などの不採算・特殊部門の医療提供」という「基本方針」からはほど遠くなります。同時に、外来患者の取り合いという、開業医との競争だけが浮き彫りになっていくだけで、真の地域医療の構築とはかけ離れていくことになります。また、轟院長が連れてきた常勤医師2人がいなくなれば、残った常勤医師は3人になり、ますます赤字が拡大することになって行きます。市長や「機構」は、何故常勤医師の相次ぐ退職に対して、何もしないのか全く不思議であります。

 市長は、理事会の内容をきちんと公表し、「機構」の基本方針に沿うように努力すべきであります。


第3は、医師確保を目的にした「東京事務所」の存在理由が3つありましたが、3つの理由がなくなったことが明らかになりました。

 「東京事務所」の存在理由の一つ目は、「医師や医師に関する情報が最も集中しているため」でした。しかし、「東京事務所」の川野医師招へい担当書記(当時)は、情報は集中しているが「面接に来る半数は銚子の病院を見てから来る人、直接東京事務所へ来る人が半分」と説明しています。情報が集中していても東京に事務所を置く必要はありません。

 二つ目の理由は、「交渉先となる医療機関や大学が集中しているため」です。しかし市長は、先の総務・企画常任委員会で「医療機関や大学の医局とは交渉しない」「秘密裏に個別に医師と交渉する」と述べ、医療機関や大学は医師招へいの交渉先ではないことを明言されました。大学や医療機関と交渉しないのなら、二つ目の理由である東京事務所の存在理由はなくなったという事であります。

 三つ目の理由は、「医師派遣のバックアップ組織(スーパー医局)との密な連携を図る」ことであります。スーパー医局の目的は、医師の交流を通じて技術力の向上であることが「定款」や「ホームページ」で明らかになっています。市長は、「医師派遣と書いてないから医師派遣しないとはならない」と答えていますが、東京に事務所を置く理由は、医師派遣が目的で「医師派遣のバックアップ組織(スーパー医局)との密な連携を図る」としています。医師派遣が目的と明確になっていない組織との連携のために、東京に事務所を置く必要はありません。

 これらの事から、東京事務所の存在理由がすべてなくなりました。


 今回の補正は、赤字分の増額が目的であります。この赤字分は、指定管理料のうち「東京事務所費経費」分と田中副理事長並びに非常勤理事の報酬、更に田中氏の給与を公表して適正にすること。また、今までに約7000万円もの大金を投入してきた「宣伝広告費」で来ている医師のほとんどが非常勤では、「機構」のいう「理念」と「基本方針」からはほど遠くなります。「広告宣伝費」を大幅に見直すことが必要です。従って、指定管理料を大幅に見直して赤字補てんの財源にすべきであります。

 今回の赤字増額分を認めるということは、轟院長の事実上の解雇を承認することにもつながり、その結果招いた膨大な赤字分を市民負担で乗り切ろうとすることに、自ら手を貸すことにつながります。今回資金ショートしてもその原因と責任は、明確に市長と「機構」にあります。これらの事から、議案第1号、議案第3号については反対します。

ページTOPへ