銚子市市議会議員

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第34回自治研究全国集会に参加して

加瀬くらぞう


行政職員や議員は参加してほしい有意義な集会だった

 第34回自治研全国集会が、2012年10月19日から21日まで兵庫県神戸市で開催された。銚子からは、議員として私と越川氏が参加し、銚子市役所職員労働組合から4人が参加した。当日は、3000人が集まっていたが「前回は5千人でした」と一緒に参加した市職員労組のOさんが話してくれた。
 全体の感想だが、集会の準備も内容も、参加された講師の先生方も市民自治についてよく研究されている人たちばかりで、掛け値なしで勉強になった。出来れば、行政職員や議員は勉強のために参加してほしい集会だった。以下感想が中心だが報告としたい。

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関心を持った島根県海士町(あまちょう)の総合振興計画

 1日目は、主催者である自治労の徳永委員長や古賀連合会長、全国知事会長等々のあいさつから始まり、「創ろう、市民自治の豊かな社会」をメインテーマに「つながり、支えあい、地域で創ろう私たちのまち」を目指してという集会基調が提起された。
 内容は、「まちの幸福論」〜コミュニティが、人を、まちを、社会をつくる〜と題して、山崎亮・コミュニティデザイナーで京都造形芸術大学教授による基調講演と、「みんなが主役のコミュニティ」と題したパネルディスカッションが行われた。
 この中で、特に関心を持ったのが山崎教授の基調講演であった。山崎教授は、地域の課題を地域に住む人たちが解決するためのコミュニティデザインに携っているとの事であった。その立場から、まちづくりのワークショップ、住民参加型の総合計画づくり等々の経験を通じて、島根県海士町(あまちょう)における「島の幸福論」を海士町総合振興計画づくりの中から具体的な取り組む状況が話された。詳しい内容は省略するが、本土から4時間もかかる離島でしかも数千人の人口だが、「流行のものや娯楽はないけど、人が人らしく生きるために大切なものは何でもある島、海士町」を売りにできるまで、「まちづくり」を町民が主体となって作り上げている。是非行ってみたいと思った。

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地域医療包括ケアシステムづくり

 2日目は、13の分科会に分かれそれぞれのタイトルに沿って討論や意見交換が行われた。私は、第5分科会「医療と介護の連携による地域づくり」〜活力ある安心社会の実現のために〜に出席した。参加者は、37都道府県から189人と報告されたが、他の分科会はこの倍くらい参加していたそうだ。
 この分科会は、「高齢者の独り暮らしを支える地域づくり〜地域包括ケアをいかに作り出すか〜」のテーマで講演された井上信宏信州大教授。「東日本大震災被災地の医療・介護・福祉」のテーマで講演された岡田広行東洋経済新聞記者と、地域包括ケアを実践している各地域から、2つの要請レポートと4つの自主レポートが報告された。
 地域包括ケアについて、特に井上教授の提起は大いに参考になった。「地域包括ケアシステムとは何か」という事について、教授は「地域課題の後背には数多くの生活課題があり、生活課題には地域の固有性・特殊性・複雑性があることが分かる」という認識と、「課題解決には生活の場にできる限り近いところで取り組む必要がある」いわゆる生活支援が不可欠となることを話された。その上で、:専門職組織を主体とする連携の約定とそのイメージ図(厚労省の):ではなくて、「@地域住民と現場の複数の専門職による:支援経験の蓄積:、Aその過程を通じてつくられる:顔の見える関係:、Bそれらをもとに地域社会の中で醸成される:信頼の束:、Cそれらを構築するための:制度基盤:」が話された。要は「厚労省のイメージ図からはずれた取り組みの実例」を検証して、それを9項目に集約したらこのようになったという事が話された。
 これらの話を聞きながら私は市立病院の再生を考えていた。地域医療包括ケアシステムづくりは「街づくり」の観点からすべてが提起されていた。市立病院の再開は、あえて「市の再開方針は持たない」ことを言明し、とにかく医師免許を持っている医師を集め、「どのような医師が来るかによって病院の性格が決まる」と言ってはばからない野平市長や再生機構の田中副理事長らによって運営されている。
 「銚子ショック」と言われた突然の休止から再開に至る経過は、「銚子における地域医療の課題は何か」とか「高齢者の現状は」とか「市民の疾病状況は」などの分析は何もなく、「民間病院がこれほどある中で、何故市立病院が必要かとの声がある(市立病院は必要ないかのようだ)」「病院再開は市民の要求だからやる(自分の意思ではないかのようだ)」「どのような医師が来るかによって病院の性格が決まる(再開の理念・方針を持たない)」「休止から再開は超難問、専門家集団に任せるしかない(再生機構にすべて丸投げ)」という市長の考え方で市立病院が再開された。地域医療は、地域医療包括ケアシステムの要であり、まさに「街づくり」の観点からその実現を目指さなければならないのに、あえて「市の再開方針は持たない」中で、再生機構に丸投げして市立病院を再開した事が、異常な病院経営を生み出している。改めて、そのことを考えた分科会であった。

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脱原発で新しい地域社会をつくる

 3日目は、「脱原発で新しい地域社会をつくる」として、パネルディスカッションが行われた。原発を廃炉にして、再生可能エネルギーを中心とした脱原発社会づくりは、「地域分散型・分権型社会システム」への移行と地域資源や人材を活用した内発的発展を目指すことが必要だと言われた。

 大変有意義な集会であった。

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