銚子市市議会議員

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公益財団法人浜松医療公社浜町医療センター視察報告



加瀬くらぞう

 銚子市立病院の指定管理者である銚子市立病院再生機構に代わって、銚子市は「医療公社」を設立し、そこに市立病院の運営を任せたいとの方針を明らかにした。そこで、2014年8月26日浜松医療センターを訪問し、「医療公社」について視察した。

1、浜松医療センターは

 病院規模と実績は以下の通り。銚子市立病院とは全く異なる大病院だが、「医療公社」という経営形態をとっている事から様々な視察を行った。

(1)、病院の規模・第3次救急センター

診療科39、病床数606床、職員数932人(平成26年6月現在=医師148人、
看護師565人、事務員60人、医療従事者132人、その他26人)
(2)、平成25年度の実績

1日平均外来数943人、1日平均入院患者数512人、地域医療支援病院紹介率87%、
病床利用率85.5%、平均在院日数14.4日、分娩件数1,179件、手術件数5,270件、
入院基本料7:1、


2、「医療公社」になった経緯

(1)、昭和47年11月、財団法人浜松市医療公社設立

@、 市から3000万円の出資金で「医療公社」設立

A、 昭和48年、280床で開設

B、 昭和49年6月、国立浜松医科大学関連教育病院となる

C、 昭和50年210床、平成7年110床増床で、合計600床
(2)、平成18年料金代行制の指定管理者へ

・料金代行制とは


診療報酬は浜松市健康福祉部病院管理課の病院事業会計へ入る。従って、「診療報酬交付金」(銚子市では指定管理料) を「医療公社」へ支払い、病院経営をしてもらう制度。

@、 ここから、市の行政改革審議会で繰り出し金が問題となっていく。年間15〜20億円の繰り出しが問題とされる。

A、 純然たる民間経営・公営法全部適用・独法・利用料金制の指定管理者指定管理者という4つの経営形態が検討された。

B、独法の検討をしたが

職員の退職金48億円、資産価値、民から公となる事等々の検討を通じて、多額の資金が必要になる事が分かり、独法を断念した経緯があった。

銚子市の場合は、「公からの独立が前提であるため、資産分離の必要がある。市立病院の資産は問題もあり、分離独立にかかる時間や費用等、障害も多い」(方向性を検討する委員会)と、浜松市と似たような議論をして「医療公社」が望ましいとの結論になった。
(3)、平成23年4月、「医療公社」で指定管理者を利用料金制にして現在にいたる

・料金代行制とは


診療報酬は「医療公社」に入る。市の一般会計から「政策医療交付金」(銚子市では指定管理料)を「医療公社」に支払い、「医療公社」は「定額分」(病院の家賃相当分)と「変動分」(当年度純利益相当分)を浜松市へ納めるようになっている。「医療公社」は営利を求めないので、出た純利益「変動分」と「定額分」(合わせて「指定管理料負担金として」)を浜松市へ還元する制度になっている。同じ指定管理者でも銚子市とは大きな違いがある。
(4)、病院事業会計の仕組み(H25年決算)・市からの持ち出しはゼロ


交付税として11.8億円(実際は15億円程度入っているようだが、約7割と見ているようだ)、国・県補助金0.8億円(これは直接病院に入っているとの事)、これを基礎に、一般会計から市の病院事業会計(健康福祉部病院管理課)へ15億円繰り入れる。ここから、約8億円が「企業債償還分」として病院事業会計で使われ、残りを「政策医療交付金」(指定管理料)として*7億8千万円が「医療公社」へ支払われる。そして「医療公社」から、「指定管理料負担金」として、定額分(病院の家賃相当分)約9億円、変動分(純利益相当分)約3千万円が浜松市健康福祉部病院管理課の病院事業会計へ還元される。従って、市からの持ち出しはゼロという事になる。

7億8千万円の内分け(「医療政策交付金」として病院事業会計から医療公社会計へ支払われる):
@救急・感染症など企業会計に負担させることが適当でない経費(当年度分)3億円、A退職引当金の未払い相当額の分割(当年度)分4億円、B国・県補助金相当額0.8億円


3、医師確保について

(1)、昭和49年、国立浜松医科大学関連教育病院となった事について

当時は、本来800床以上の病院でなければ「関連教育病院」にはなれなかったそうだ。600床の病
院でなれたのは、市として200床分を学生が使えるようにした事で、毎年100名規模の学生実習を
受け入れたことによると説明があった。
(2)、医師確保は大変と言っていた

今は、浜松医科大学のドクターが半数位で、整形外科は名古屋大、呼吸器関係は千葉大など、診
療科によって全国の大学から医師派遣を受けている。しかし、県外に医師を出さない大学が増えてきて
いるので、医師の確保に苦労しているとの事であった。


4、外からの監視は残している

銚子市とは全く正反対で、外からの監視・評価委員会が、料金代行制の時から残っている。評価委員会のメンバーは、地元の経済界や医師会、税理士、医療経済学にたけている人等々で構成されているので、内容は熟知されている。従って、かなり厳しい指摘が行われているようだ。銚子市は多いに参考にしなければならない事である。


5、理事・評議員について

(1)、評議員・評議員会(定数:6名以上10名以内、任期:4年以内)について

@、 医療公社定款では、評議員と評議員会についての条項は、第10条から第20条まで10項目の条文規定がある。

A、 評議会は、浜松市医師会長、歯科医師会長、薬剤師会長、健康福祉部長、保健所長、弁護士、静岡FM放送(株)顧問の計7人が選ばれている。

B、 評議員会は、理事を選ぶので責任を持ってもらうように人選したとの事であった。外部の評価と合わせ内部の評価もキチンと行われていて、銚子とは全く違う内容だ。しかし、これが当たり前であると強調されていた。
(2)、理事(定数:6名以上10名以内、任期:2年以内)について

@、 ・理事長 浜松市副市長、・副理事長 医療センター院長、・常務理事 医療センター院長補佐、医療公社事務局長、・理事 医師会副会長、浜松医科大学理事、商工会議所事務局長、健康福祉部医療担当部長 で理事会を構成している。

A、 銚子の「医療公社」は理事長が市長となっている事について、視察では、市から独立した体制という観点から疑問が出されたが、銚子市の事業仕分けに来ていた病院事務部長を含めて銚子市の実情を説明した。
(3)、監事(定数:2名以内、任期:2年以内)


・公認会計士、・市会計管理者
(4)、会計監査人(定数:1名、任期:1年以内)


・公認会計士

浜松医療センターで驚いたのは、病院事務部長の上久保さんが銚子市の事業仕分けに来ていた事だった。我々の予想以上に銚子の実情を理解されていた中での視察であった。
我々の視察に対して、医療センターから倉形常務理事(事務局長)、原総務部長、上久保事務部長、浜松市から渡瀬健康福祉部次長、佐藤医療センターグループ長、福田補佐の皆さんが質問に答えてくれた。皆さんのおかげで有意義な視察が出来た。


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