銚子市市議会議員

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2014年09月一般質問

2014年09月議会一般質問
加瀬庫蔵


 始めに、市財政の現状についてです。

 今議会の市長挨拶では、市財政の現状について「平成25年度の一般会計の決算は、介護保険事業・国民健康保険事業の特別会計への繰り出しを先送りするなどして、どうにか赤字転落は回避出来ました。しかし、実質単年度収支は約2億円の赤字となり、財政調整基金が底を突き、実質単年度収支の赤字が続く危機的な財政状況にあります」と述べています。

 市財政の現状を、端的に表せば市長挨拶のようになると思います。しかし、市民の中には「金がない、金がないというな。ますます暗くなる。それを何とかするのが市長の責任だろう」という声もあります。これらの声は、越川市長の責任だけを追及する意図をもって言っている人もいますが、真面目な市民の声もあります。

 そこで、「実質単年度収支の赤字が続く危機的な財政状況」とはどのような事か、改めて丁寧な説明と改善策として打ち出した「銚子市再生の緊急改革プラン」について、その実践状況を示す必要があるように思います。  銚子市財政の認識は、2〜3年で改善できるような状況ではないという認識を私は持っています。それは、一時的な財政の悪化が原因ではなく、人口減等に伴う歳入の減額と合わせ、10年間に及ぶ大規模事業の連発によっておこった構造的に修復不可能な支出の拡大が原因だからです。

 8月30日朝日新聞に、「富津市、破たんの試算、2018年度に財政再生団体」という記事が載りました。よく読んでみると「来年度には財政調整基金が底を突き、2019年度までの財源不足は28億円に上り、2018年度には実質赤字比率が20%を超え、北海道夕張市と同様財政再生団体に転落する」とあり、その原因として「1980年代に進出してきた企業などの固定資産税が減り、その一方で社会保障費などが増大し財政調整基金を取り崩して対応してきた。他市が、高齢化対策費の増大などを見込んで基金を積み増しする中、逆に頼って財政運営してきた結果で場当たり的だった」と報道されています。要は、固定資産税など歳入が減って、高齢化に伴い社会保障費の増大に財政調整基金の取り崩しにのみに頼った財政運営が原因という事のようです。

 銚子市の場合、人口減少等に伴い市税の減額による歳入減と合わせ、高齢化に伴う社会保障費の増大は富津市と同じです。同時に、財政調整基金を取り崩して対応して来た事も同じです。しかし銚子市の場合は、この事と合わせて10年間で総事業費241億円にも上る大規模事業が加わる事です。

 富津市の平成25年度決算を見ると、標準財政規模は109億円、その内、一般会計の地方債現在高は149億円、債務負担行為は19億円、実質公債費比率は9.9%、将来負担比率は145.3%です。
それに比べて銚子市の平成25年度決算は、標準財政規模153億円、その内、一般会計の地方債現在高は314億円で富津市の2倍、債務負担行為は66億円で富津市の3倍、実質公債費比率14.5%、将来負担比率190.7%、となっていて、富津市と比べて危機的状況の差は異常なほど銚子市は最悪です。

 銚子市における4つの大規模事業の総事業費は241億円です。その内平成25年度までの支出は74億円で、平成26年度は13億円を支出するようになっていますので、平成27年度からは154億円を支出するようになっています。平成26年度まで3分の1の支出約80億円でこれだけ財政危機になっているのに、平成27年度からは残りの3分の2の事業費154億円を支出するという事ですから、銚子市の財政状況は2〜3年で改善出来るほど生易しい状況ではないという事です。

 そこで質問をいたします。


第1に、 銚子市財政の危機は一過性のもではなく、人口減等に伴う歳入の減額と合わせ、10年間に及ぶ大規模事業の連発によっておこった、構造的に修復不可能な支出の拡大が原因であり、その改善は1〜2年で出来るようなものではない程深刻な財政状況になっているという認識を私は持っていますが、そのような認識について市長の所見を伺います。

第2に、 従って、改めて財政悪化の原因、そして改善策として打ち出した「銚子市再生の緊急改革プラン」の進捗状況について、常に発信し続ける事が必要になると思いますが市長の所見を伺います。

 この間の銚子市の財政対策は、経常収支比率の根拠となっている「経常経費充当一般財源」の義務的経費を見るとよく分かります。それは、地方税と地方交付税という経常一般財源、いわゆる真に銚子市における歳入実力と言っても良い財源から支出される義務的経費の3つの項目の内、この10年間で減額されているのは人件費の20億円です。増額されているのは高齢化対策費ともいえる扶助費5億円と市の借金である公債費12億円となっています。この10年間、財政調整基金が底をついている現状と合わせ、人件費を削り続けて来たことがよく分かります。

 富津市と違い銚子市は、この10年間財政調整基金を21億円切り崩し、職員と議員の人件費を20億円削減して来た事で財政を賄ってきたという事が言えます。と同時に、事業仕分けや一律の歳出のカット等々歳出もぎりぎり切り詰めてきたことも承知の通りです。

 今年度も、事業仕分けによる歳出のカットが計画されています。様々な事業を見直し節約の検討は否定しませんが、その事によって、新たな財源を確保するような考えはすでにやってきたと言えるのではないかと思います。同時に、職員の人件費カットもこれ以上はやれないという所まで来ているように思います。

 これからの銚子市財政は、人口減の中にあっても歳入を増やすことについて、どこの自治体よりも先んじて取り組まなければいけないという事が課題であると思います。緊急改革プランの「緊急に取り組む課題」が提起されていますが、取り組む課題について担当課へ問い合わせをし、状況をつかまなければ全体像を把握できません。同時に、担当課は通常の仕事がありその上にこの課題を取り組むようになっているのが現状です。

 歳入増について、常時全体像が把握でき、全国で取り組まれている具体例を銚子市の実情に合わせた研究や実践の把握、そして補強すべき内容などを検討する、歳入を増やすためのシステム・部署が必要ではないかと思います。

 そこで質問をいたします。


第1に、 歳出について、様々な事業の見直しから節約をすることは大事です が、人件費を含めて歳出のカットは限界に近いのではないかと思います。特に、人件費カットしない中での財政改善は緊急な課題であると思いますが市長の所見を伺います。

第2に、 今は、市が本気で歳入を増やす体制を考えなければいけない時期に 来ていると思います。歳入を増やすための専門のシステム・部署が必要と思いますが市長の所見を伺います。

 次に、「医療公社」による市立病院の存続について質問をいたします。

 2014年2月18日から「銚子市立病院の方向性を検討する委員会」(検討する委員会)が始まり、6回目となる7月30日、5か月に及ぶ検討結果として答申が出されました。

 答申の内容は、「香取海匝地域の医療環境や、銚子市の医療・保健・福祉サービス、厳しい財政状況を踏まえて、公的医療機関として目指す方向を検討する」という目的を述べた「はじめに」と、「大事なのは、住民を含めた関係者が合意をしていくプロセスである」と述べた「終わりに」を含めて、「1、これまでの経過、2、銚子地域の医療・保健・福祉、3、2つの市立病院の運営と反省、4、今後の市立病院の方向性」が述べられています。

 私が最も注目するのは、「今後の市立病院の方向性」として示された6項目で、1項目は「市立病院に求められる役割」、2項目は「医療・保健・福祉の統合」3項目は「地域連携と運営協力」、4項目は「銚子市の財政状況と繰り出し金」5項目は「経営形態と市の関わり」、6項目は「次期病院運営事業体」と提起されている内容です。

 この内の1項目「市立病院に求められる役割」についての提起は、今まで検討されてこなかった内容です。これは市立病院に求められる「ミニマムな役割」いわゆる「最低限必要な役割」と理解するとの事ですが2つ提起されています。

 第1は、地域包括ケアシステムという事で、最低限2つの役割があるとしています。1つは、「地域ケア会議への参加と医療・福祉連携の積極的推進」です。内容的には、医療・保健・福祉の担当者が「地域ケア会議」に参加し、地域の医療・福祉事業者と「顔の見える連携」を実現し、市立病院は医療・保健・福祉連携の推進役を務めるとしています。2つは、急性期病院(旭中央病院)の後方支援事業と在宅支援事業です。内容は、旭中央病院からの退院患者受け入れを視野に入れて、在宅復帰機能が高い病棟または施設を設置して後方支援病院機能を展開していく役割が述べられています。

 第2は、救急事業です。ここでの役割は「初期救急とトリアージ(初期診断)」としています。旭中央病院に夜間患者が集中し飽和状態になっている事から、圧倒的に多い軽症患者の入院を含めた受け皿と、トリアージ(初期診断)機能を受け持つ役割を負うとしています。そのために、「総合医の養成」と「地域連携」を挙げています。

 この様な検討内容を含めて、6項目に「次期病院運営事業体」が提起されています。それは「今後の市立病院の運営を担うものは、『市立病院に求められる役割と機能』を十分果たし、『医療・保健・福祉を一体化』した国保病院の理念を実現する運営を市と共に行い、『地域連携と運営協力』を推進し、『銚子市からの交付税範囲内の繰り入れ』で運営できる者でなければならない。また、その組織には@市のガバナンスが効き、A経営力ある人材を創出し、B透明性がある経営を行う団体でなければならず、これまでの経過から見ると、現指定管理者では困難と思われる」としています。

 この答申を受けて銚子市は、8月20日議員協議会で「銚子市立病院の運営と医療公社の設立について」を明らかにしました。内容は、(仮称)一般財団法人 銚子市医療公社を設立し、指定管理者を医療公社に移行するという事です。

 この中に、検討委員会が答申した「現指定管理者では困難と思われる」としている内容が端的に示されています。@法人に対して市のガバナンスが働かず、透明性が低かったことに大きな原因がある。A市が全額を出資し、法人運営費を負担している医療法人でありながら、役員派遣や情報共有が長い間出来ず、市が法人運営に関与できなかった。B赤字補てんを無制限に認め、「公設民営」の最大メリットである経営効率化が実行されず、法人への繰り出し額は当初事業計画を大きく上回る33億円となる見込み、C多額の東京事務所経費や広告宣伝費、D労働基準監督署の是正勧告、E施設基準違反、F組織運営や経営管理の問題も指摘されていると「答申を踏まえた方針」(3)市のガバナンス強化 の中に示されています。

 改めてこの様に述べなければならない異常な状態がなぜ起こったのかが、最大の問題です。これらの問題は再三にわたって議会で指摘されただけでなく、是正を求めた議会決議が3回行われ、しかも満場一致で議決されている内容です。特に、多額の費用を使った東京事務所は、医師派遣の拠点ではなかったことが判明し、年間7000万円にも及ぶ広告・宣伝費の内容も明らかになっていません。また、不可解な相次ぐ歴代院長の事実上の解雇や医療内容とは関係のない職員の処遇を巡る裁判内容やその費用についても不透明のままです。更に、労働基準監督署から10項目にわたる是正勧告や赤字であるはずの病院が黒字病院となって法人税を支払っていたり、医療機器購入のリース契約に係る粉飾決算状況、あるいは、診療報酬請求の責任者が、施設基準違反を承知で喫煙所に通い続けていた事等々は医療法人の経営者としては失格であることの証明です。この様な状況を考えると、「現指定管理者では困難」との答申は当然の検討結果であると思います。

 そこで質問をいたします。


1つ、 次期病院運営の事業体について、「現指定管理者では困難と思われる」とした答申理由と、市の考え方を改めて示して頂きたいと思います。

2つ、 市立病院の休止または再開という中で、銚子市民にとって最大の不幸は銚子市における医療政策から市立病院の役割についての検討が無く行われてきたことだと私は考えています。そこで、改めて答申が提起した内容を踏まえ、銚子市の医療政策と市立病院の役割について示して頂きたいと思います。

3つ、 答申を踏まえて銚子市は、医療公社による事業運営が最適だとしていますが、改めてその根拠を示して頂きたいと思います。

4つ、 次期病院運営について、再生機構とどのような話し合いが行われていますか伺います。

 次に、介護保険事業について質問いたします。

 「介護保険の大転換」「高齢者に痛み、安心にほど遠い」「要支援切り・地域格差懸念」2014年6月19日朝日新聞がこの様な見出しで報道されたように、6月18日地域医療・介護推進法が成立しました。新聞報道によると、「野党各党は、主に介護保険見直しの問題点を指摘、審議を続けるよう求めたが、与党が採決を強行した。懸念が解消されないまま、法の成立]という状況であったことは承知の通りです。

 介護保険のサービスは、要介護認定を受けた人が対象で、市町村から介護の必要度が高い順に「要介護5〜1」「要支援2、1」の7段階で判定されています。

 このサービスの内、「要支援」向けの訪問介護と通所介護・デイサービスの二つが、市町村の事業に移されるという事になりました。訪問介護は、ヘルパーが自宅を訪れ移動や入浴など身体的な介護のほか掃除、料理なども手助けしてくれています。通所介護は、日中施設に通ってレクリエーションや食事、入浴、機能回復などの訓練をしています。

 今は国の基準に沿って、介護事業者がサービスを実施し、全国どこでも同じサービスが受けられることになっています。これが市町村の事業となると、まず市町村の判断で、サービスや利用料を決めるようになります。利用者から言えば、住んでいる自治体によって料金やサービスの中身に違いが出てくるという不安が残ります。2017年度までに全市町村で実施するとの事ですので、利用者の不安が解消できるようにする事が必要です。

 要支援と認定されている人は、全国で150万人と言われています。銚子市は、2012年の時点で要支援1の認定者は329人、要支援2の人は462人計791人の人が要支援と認定されています。

 そこで質問をいたします。


1つ、 銚子市において、要支援と認定された方で、訪問介護を受けている人、通所介護を受けている人はどのくらいいますか、また、要支援と認定された方で、訪問や通所介護を受けている方の費用はどのくらいになりますか伺います。

2つ、 要支援の訪問や通所介護を市町村の事業とする2017年以降、銚子市において、現在のサービスが後退する事はありますか伺います。

3つ、 厚生労働省によると、2025年には「ヘルパーによる要支援サービスの半数が、ボランティアなど新たな担い手に代わる見込み」としていますが、銚子市は、このようなボランティアを確保できると考えていますか伺います。

 もう一つの改正点は、利用者負担の引き上げです。介護サービスを受ける場合、かかった費用の一部を自分で負担する様になっています。今は、原則1割負担で、一定以上の所得がある人は2割になっている人もいます。今回の改正は、収入が年金だけの人の場合、年収280万円以上の人が2割負担になるという事です。厚労省は在宅サービス利用者の15%、特養の入居者では5%の人が対象者になるとしています。

 そこで質問をいたします。

 利用者負担引き上げの対象となる、年280万円以上の年金受給者は、介護認定者で何人おられますか。また、この人たちの状況を丁寧に把握し、安心して介護が継続して受けられるようにすることが大事だと思いますが、見解を伺います。

 この法律は、特養への新規入所の基準も変更されました。すでに入所されている人は対象外となっていますが、来年4月から新規に入居する人は、原則要介護5〜3の認定者に限られるという事にされました。特養には、入居を待っている待機者は今年の3月時点で52万4千人に達し、入居の必要性が高い「在宅暮らしで要介護3以上」に限っても15万3千人いるとされています。この人たちに優先して入ってもらうという事でしょうが、待機者の中には、要介護1,2の人も17万8千人いて、認知症で徘徊の症状が激しく介護の負担が大きい人もいます。このため、やむを得ない事情があれば特例として要介護1、2でも入所できるとしています。

 そこで質問をいたします。


1つ、 やむを得ない事情があれば、特例として要介護1,2の人でも入所で  きるとしている特例とはどのような事ですか。また、この特例には、住宅事情や家庭の事情は入っていますか伺います。

2つ、 この特例を、誰がどのように判断しますか伺います。


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