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2015年06月議会報告




2015年06月議会報告


トピックス
市立病院医師宿舎の念書問題とは
=「マークタワー銚子銀座」だけが買い取りの念書=
=2015年1月19日念書の存在が明らかに=
=誰も知らなかった念書の存在=
=賃貸借契約には様々な議論が=
=念書は賃貸借の条件=
=念書を結んだ同時期に賃貸借契約=
=当時の職員から聞き取り調査=
=野平前市長名によるおかしな「お願い」文書=
=揺籃期なので温かく見守るだけ(野平前市長)=
「念書」問題が和解
銚子市の態度
=「刑事・民事両面での訴えを検討」と越川市長=
事実解明と再発防止のため調査特別委員会(百条委)設置
100条調査権とは
=「100条調査ハンドブック」(広瀬和弘著)参照=
再発防止の調査が目的
=同ハンドブック参照=


銚子市立病院に係るマークタワー銚子銀座(医師宿舎)の念書に関する調査特別委員会設置


 2015年6月議会は、23日間の会期で6月30日閉会しました。今議会最大の焦点は「銚子市立病院の医師宿舎をめぐり念書が3枚不正に作成されていた問題で、銚子市議会は30日、地方自治法100条に基づく調査特別委員会(百条委)を設置する決議を賛成多数で可決した」(千葉日報)と、全ての報道機関が大きく取り上げたように、医師宿舎をめぐる不正念書で議会が調査特別委員会(百条委)を設置できるかどうかでした。結果は、賛成多数で設置され9人の委員会が発足し、委員の互選により委員長に加瀬くらぞうが選出されました。


市立病院医師宿舎の念書問題とは
=「マークタワー銚子銀座」だけが買い取りの念書=
 銚子市立病院再生機構は、平成22年4月16日市立病院の指定管理者に指定され、平成22年5月1日から平成27年3月31日まで市立病院の管理運営を行ってきました。
 病院運営には、医師の確保が欠かせません。そこで、再生機構は平成22年に医師宿舎として市内のマンションを賃貸借契約し、多くの医師が住まいに心配なく安心して銚子へ来て頂けるよう条件を整えるようにしました。
 賃貸借契約をした市内のマンションは「マークタワー銚子銀座」7室、「マークポイント銚子」1室、「グランドールヒルズ」6室の14室です。5年後に買い取るとの念書が取り交わされていたマンションは、「マークタワー銚子銀座」6室分で金額は1億2,690万円でした。何故「マークタワー銚子銀座」だけ念書が存在したのか、全く不明です。

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=2015年1月19日念書の存在が明らかに=
 市立病院再生機構は2015年4月から「医療公社」へ移行しました。再生機構は移行を前に、賃貸借契約を「医療公社」に移すべく不動産会社に連絡を取ったところ、再生機構が平成27年5月から7月にかけて6室を買い取る誓約をした「念書」の存在が明らかになりました。
 念書は、5年前の平成22年4月から6月にかけて再生機構と(株)大勝の間で取り交わされており、立会人は東京都千代田区のマックスリアルエステイト(株)である事も分かりました。
 
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=誰も知らなかった念書の存在=
 念書は、再生機構と「マークタワー銚子銀座」の貸主である(株)大勝との間で取り交わされていますので2通存在するはずです。ところが、再生機構で念書の存在は確認できないばかりか、理事会の確認もありませんでした。また、当時の再生機構理事長・笠井氏も念書について全く知らない事が明になりました。
 しかし、念書には再生機構の理事長印が押印されている事から、当時理事長印を所持していた人物が念書を取り交わしたことになります。誰にも内緒で、しかも、勝手に理事長印を使用したという事になります。当時理事長印を所持していた人物は田中肇専務理事(当時)との事です。
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=賃貸借契約には様々な議論が=
 「マークタワー銚子銀座」には、市民の間で様々な噂が流されています。
 医師宿舎について、初めて話が出たのは平成22年3月28日開催された銚子銀座商店街に設置された「脊柱・石造除幕式」における野平前市長のあいさつでした。
 野平前市長は、「このマンション、あと7室売れ残っていますが、全室、一様に、買い上げます。満室にします。ここは全部医者のマンションになります」と挨拶した事を多くの市民が聞いていました。
この挨拶が議会で取り上げられ、野平前市長は「私が借り上げるというのを、買い上げるというふうに勘違いをしたんじゃないか」「現実には、7室までは所有者側で貸さないというふうに伺っていまして、ほんの数室契約する方向で、今大詰めだというふうに伺っております」(平成22年4月臨時議会)と答弁した事から、「買い上げ」か「借り上げ」か当時大きな問題になりました。
 また、これらの議論を通じて野平前市長は、マンションの契約交渉で一定の報告を受けていた事が明らかになっています。
 
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=念書は賃貸借の条件=
 (株)大勝の話によれば、「マークタワー銚子銀座」は元々分譲マンションであったとの事です。当初は売買で交渉を進めていたが、再生機構からの要請で賃貸契約を了承したとの事です。また、賃貸借契約の条件として5年後に買い取る念書を結んだとの事です。
 (株)大勝の話は、野平前市長の「買い上げ」発言との関係や、様々な噂との関連も考えさせられるようです。
 
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=念書を結んだ同時期に賃貸借契約=
 「マークタワー銚子銀座」の賃貸借契約は、平成22年4月10日1室、4月30日3室、5月28日1室、6月8日2室となっています。その中で、6室を買い取るとした念書の日付けは、平成22年4月30日3室、6月1日1室、6月8日2室となっています。
 まさに、賃貸借契約と同時に買い取りの念書が取り交わされていたという事です。当時この様な事の出来る人物は、理事長印を所持していた田中肇専務理事(当時)という事になります。
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=当時の職員から聞き取り調査=
 越川市長は、当時、市(市長側)と市立病院再生室との間で、医師宿舎についてどのようなやり取りがあったのか議会で報告しました。内容は、当時の市再生室職員から聞き取り調査したものです。
 市職員からの聞き取りでは、医師宿舎の確保についての協議は、再生機構と市再生室との間では全くなかったとの事でした。大事なことは、野平前市長と再生機構幹部との間で進められていたとの事でした。
 野平前市長は、医師宿舎の確保について、当時の再生機構側から一定の報告を受けている事を明らかにしていますので、職員の調査内容を裏付ける事になりました。
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=野平前市長名によるおかしな「お願い」文書=
 念書と賃貸借契約が最初に結ばれたのは平成22年4月30日です。なのに、5月25日銚子市から、野平前市長名で(株)大勝あてに、「『マークタワー銚子銀座』の賃貸借について(お願い)」の文書が出されています。内容は「貴社が分譲販売を予定しております『マークタワー銚子銀座』の未分譲販売物件について、医療法人財団銚子市立病院再生機構に市立病院の医師用住宅として賃貸借していただきたく、特段のご配慮をお願い申し上げます」というものです。
 なぜこの文書を出すことになったのか、すでに念書と賃貸借契約が結ばれた後の平成22年5月19日、田中肇専務理事(当時)より、市の病院対策監に電話で「マンションを医師宿舎として賃貸借することになったので、市長名で相手方に文書を出してほしい」との依頼があって出したとの事です。
 市再生室はこの時、賃貸借の事実を知りませんでした。実際に知ったのは、6月15日再生機構との打ち合わせでの報告でした。ここでも念書の話は全くなかったとの事です。
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=揺籃期なので温かく見守るだけ(野平前市長)=
 「マークタワー銚子銀座」の賃貸借契約は、再生室の事務方には知らされないまま、すでに4月30日から6月8日までに結ばれていました。しかし、再生機構から提出された医師宿舎事業の承認申請は、それから1〜2ヶ月も遅れた7月1日で、その翌日には承認決定通知が出されています。
 野平前市長と再生機構幹部の間で、どのようなやり取りがあったのかは不明ですが、再生機構に対して野平前市長は「揺籃期なので市は温かく見守るだけ、再生機構にお任せ」という姿勢でした。従って、事業申請に対しては、ほとんどノーチェック状態で承認決定が行われていたようです。
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「念書」問題が和解



 銚子市と再生機構は、念書が有効か弁護士と相談してきましたが、現実に正規の理事長印が押印されている事から有効であるとの判断を伺いました。
 有効であれば、貸主である(株)大勝に一定のキャンセル料の支払いが生じることになります。従って、再生機構から市への返還金が減少することになり、市は大きな損害を受ける事になります。
 話し合いの結果、解決金として再生機構が100万円を(株)大勝に支払い、255万円の敷金を放棄する事で和解が成立しました。従って、念書問題で銚子市が受ける損害は、弁護士費用を含めて約600万円(現時点)になります。

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銚子市の態度



=「刑事・民事両面での訴えを検討」と越川市長=
 越川市長は、6月議会の冒頭念書問題に対する市の態度を、「貸主との間では念書に係る和解が成立し、敷金放棄を含め、再生機構が貸主に355万円の和解金を支払うことになりました。再生機構から市への返還金が減少するという形で、公金・市民の税金が大きな損害を受けることになります。・・・誰がどのような経過でどのような目的でこのような念書を差し入れたのか。徹底した真相究明とともに、行為者に損害賠償を求めていかなければなりません。再生機構とともに、刑事・民事両面での訴えを検討してまいります」と述べています。

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事実解明と再発防止のため調査特別委員会(百条委)設置


 これらの経過からも分かるように、金銭的な損害に留まらない多くの疑問点があります。何故このような念書が生まれたのか、何故誰も知らないのか、貸主は「賃貸借の条件として念書を取り交わした」と言っているのに、5年間誰も知らない状態でした。
 野平前市長は、分譲販売マンションであると知っていました。それが何故、賃貸借になったのか、本当に念書の存在を本当に知らなかったのか。知らないで貸主宛に「賃貸借のお願い」の文書を出したのか。市再生室は「医師宿舎は、野平前市長と再生機構幹部との間で行っていた」旨の証言をしています。
 市再生室は、医師宿舎について再生機構と話したことはなかったのか。ならば、医師宿舎事業申請に対する審査はどのように行われたのか。色々な証言からは、ノーチェック状態であったようですが、何故そのようになったのか。等々疑問点は尽きません。
 これらの解明と再発防止を求めて、議会は特別の権限を持つ調査特別委員会(百条委)の設置を14対4の賛成多数で決めました。

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100条調査権とは



=「100条調査ハンドブック」(広瀬和弘著)参照=
 100条調査権とは、地方自治法第100条に根拠を有する議会の調査で、当該普通地方公共団体の事務に関し議会が調査を行うことが出来る権限の事をいいます。
 100条調査権の権限は、議会が持つ条例の制定や予算の議決などの権限を有効・適切に行使するためのもので、執行機関に対する監視権限を実効的に行使するために必要な調査権限です。
 なお、100条調査権はその行使に際し、地方自治法により選挙人その他の関係人に対し、出頭及び証言並びに記録の提出を請求することが出来ます。そして、これらの請求に正当な理由なく選挙人その他の選挙人が応じない場合のために、議会に告発する権限が付与され、その調査権の実効性が担保されています。

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再発防止の調査が目的



=同ハンドブック参照=
 警察の捜査と目的を異にします。地方公共団体の事務にかかわる範囲で起こった不祥事に対して、発生の原因、組織の人事管理上の問題、不祥事が起こった背景、事務の執行が適正に行われているか、そして、今後どのようにすれば起こらないように出来るか、つまり、当該団体として当該事件等の再発防止をどうすればよいのか調査する事を目的としています。
 つまり、議会が執行機関とは違う立場から行政の適正執行、再発防止を調査の目的とするからこそ、その必要性があり、議会にしかできないものです。そこに100条調査の意味があります。

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