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議会報告・100条特集号




議会報告・100条特集号


トピックス
銚子市議会・前市長ら刑事告発可決
100条委員会とはどのような委員会か
「正当の理由」がない場合、「告発しなければならない」義務規定
[地方自治法第100条(20項目ある)]
「正当の理由」とは何か
100条委員会の調査目的は何か
念書作成の経過を明らかにし、銚子市の指定管理者に対する監督事務が適切に遂行されたか
1年間で10回の委員会、18回の協議会を開催
=15名に証言を要請、12名が証言し3名が不出頭=
「不出頭」の理由は「正当の理由」には当たらない
「あやふやな記憶のまま、公の場で証言することは本意ではありません」について
「体調不良により書面等のやり取りで対応したい」について
「国の専管に属する司法の手にゆだねられた項目について地方議会が調査を継続するのは、三権分立の原理から考えて越権行為である」について
「本件念書の作成とは無関係である以上、・・・『証人』を前提とした要求は受けかねます」について


銚子市議会・前市長ら刑事告発可決


 銚子市議会は5月26日、臨時市議会を開き、市立病院医師宿舎を巡る念書問題に絡んで、調査特別委員会(100条委)の証人尋問に出頭しなかった前市長と市立病院再生機構の元職員二人を、地方自治法違反に当たるとして、千葉地検に告発すると決めました。

 市長経験者の議会による告発という出来事は、銚子市始まって以来なかったことです。以下「告発事実」「告発の経緯」(要請が本人に届くようかなりの努力を行った事等を含む)「関連事実」「結論」の項目は除き、地方自治法(以下「法」)第3項所定の「正当の理由」がない事について、その要旨を報告します。

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100条委員会とはどのような委員会か


「正当の理由」がない場合、「告発しなければならない」義務規定
 いわゆる100条調査権と言われる議会の調査権は、法第100条に根拠を有する議会の調査権で、当該普通地方公共団体の事務に関し議会が調査を行うことが出来る権限のことをいい、そのために設けられた特別委員会を通称「100条委員会」呼びます。

 100条調査権はその行使に際し、地方自治法により選挙人その他の関係人に対し、出頭及び証言並びに記録の提出を請求することが出来ます。そして、これらの請求に正当な理由なく応じない場合のために、議会に告発する権限が付与され、その調査権の実効性が担保されています。法第100条で関連する条文は以下のようになっています。

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[地方自治法第100条(20項目ある)]
第1項 普通地方公共団体の議会は、当該普通地方公共団体の事務に関する調査を行うことが出来る。この場合において、当該調査を行うため特に必要があると認めるときは、選挙人その他の関係人の出頭及び証言並びに記録の提出を請求することが出来る。
第3項 第1項後段の規定により、・・・正当の理由がないのに、議会に出頭せずもしくは記録を提出しないとき又は証言を拒んだときは、6カ月以下の禁固または10万円以下の罰金に処する。
第7項 宣誓した選挙人その他の関係人が虚偽の陳述をしたときは、3カ月以上5年以下の禁固に処する。
第9項 議会は、選挙人その他の関係人が、第3項又は第7項の罪を犯したものと認めるときは、告発しなければならない。

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「正当の理由」とは何か
 法第100条3項にいう「正当の理由」について、証人として出頭しない場合一般的には、病気、長期旅行、変更できない公務、事故、慶弔等が想定され、個々具体的な状況に即して判断する必要があるものとされています。
 したがって、今回3名の告発については、それぞれ「正当の理由」には当たらないという事です。

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100条委員会の調査目的は何か


念書作成の経過を明らかにし、銚子市の指定管理者に対する監督事務が適切に遂行されたか
 再生機構は、事前に銚子市の承認を得ることなく、平成22年4月から6月にかけて医師宿舎としてマンション6室を賃借しました。その後平成27年2月頃になって、同マンションを5年後に1億2690万円で買い取ることを誓約した内容の念書が作成されていたことが明らかになりました。

 銚子市議会は、平成27年6月議会で本件念書の関する調査をするため、法第100条第1項の規定に基づいて「銚子市立病院に係るマークタワー銚子銀座(医師宿舎)の念書に関する調査特別委員会」を設置しました。

 再生機構は、市立病院という公の施設の指定管理者です。指定管理者には法第244条の2第10項で「指定管理者に対して、当該管理の業務又は経理の状況に関し報告を求め、実施について調査し、または必要な指示をすることが出来る」と定められています。

 このような地方自治法の規定から「念書作成の経過を明らかにし、銚子市の指定管理者に対する監督事務が適切に遂行されたか」を調査目的として調査を進めてきました。

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1年間で10回の委員会、18回の協議会を開催
=15名に証言を要請、12名が証言し3名が不出頭=

 100条委員会は、平成27年6月30日から平成28年5月9日まで10回の委員会と18回の協議会を開催してきました。この間、弁護士との話し合いや事務局との打ち合わせを入れるとかなりの日数を費やしてきました。

 証人出頭要請は、延べ15名に要請し12名が委員会に来て証言をしました。証言をした5名は公務員ですが7名は民間の人たちです。遠くから弁護士を伴って参加した人もいます。

 そして、出頭しなかった人は、今回告発された3名だけで再三の出頭要請にも応じませんでした。

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「不出頭」の理由は「正当の理由」には当たらない


 以下は、告発された3名が「正当の理由」とする主張です。100条委員会としては、これでは「正当の理由」にはならないことを再三にわたって連絡をしましたが、聞き入れられませんでした。

「あやふやな記憶のまま、公の場で証言することは本意ではありません」について
 元再生機構職員のK氏は、2回の出頭要請に対し「あやふやな記憶のまま、公の場で証言することは本意ではなく、私は証人としての要件を満たすことが出来ません。従いまして、せっかく召喚していただきましたが、出頭を辞退申し上げます」を理由に出頭を拒否しました。

 法第100条第3項にいう「正当の理由」は前述した通りで、証人は自己の体験した事実を記憶に基づいて供述するのであって、記憶が定かでないことをもって出頭拒否を認めれば法第100条第1項の意味がなくなり、調査の目的が達成できなくなります。従って、証人の記憶が定かでないことは「正当の理由」に当たりません。

 100条委員会は、この事の説明を書面にて何回も行いましたが聞き入れられませんでした。

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「体調不良により書面等のやり取りで対応したい」について
 元再生機構職員のY氏は、2回の出頭要請と診断書等記録の提出要請に対して「体調不良等により書面等のやり取りで対応したい」旨の文書を提出して出頭を拒否しました。

 「正当の理由」には、病気による不出頭が含まれると解されますが、この場合は、「正当の理由」の有無の判断のため、証人は、仮病でないことを証明するため客観的な資料を提出する必要があるものと解釈されます。そのように解さなければ、法第100条第1項の調査権の実効性が失われることになるためです。従って、これも「正当の理由」に当たりません。

 100条委員会は、この事の説明を書面にて何回も行いましたが聞き入れられませんでした。

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「国の専管に属する司法の手にゆだねられた項目について地方議会が調査を継続するのは、三権分立の原理から考えて越権行為である」について
 前市長のN氏は、3回の出頭要請と3回の記録の提出要請に対して、再生機構が民事訴訟を起こした時点で、法第100条に基づく議会の権限を離れたと主張し、その根拠として「国の専管に属する司法の手にゆだねられた項目について地方議会が調査を継続するのは、三権分立の原理から考えて越権行為である」としてそれぞれを拒否しました。

 しかしながら、法第100条第1項において調査対象から除かれることとなる自治事務は、「労働委員会及び収用委員会の権限に属する事務」であって、前市長の主張は何ら法的根拠を有するものではありません。

 さらに、訴えを提起したのは再生機構であって銚子市ではなく、その判決の効力が銚子市に及ぶものでないことは当然のことです。

 これにより法第100条第1項に基づく議会の調査権限が制限されることなどあり得ません。従って、不出頭の「正当の理由」とはなりません。

 100条委員会は、この事の説明を書面にて何回も行いましたが聞き入れられませんでした。

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「本件念書の作成とは無関係である以上、・・・『証人』を前提とした要求は受けかねます」について
 さらに前市長のN氏は、念書の作成とは無関係である以上、委員会に出頭を求められる必要性は認められないとして、「『証人』を前提とした要求は受けかねます」と、出頭を拒否しました。

 100条委員会は、前市長と念書との関与の有無だけでなく、銚子市の指定管理者に対する監督状況が調査事項にもなっています。前市長は、指定管理者の監督状況への調査を前提とした反論をしておらず、念書作成への関与を前提とした反論にとどまり、都合の悪い部分を意図的に無視しています。

 念書と前市長との関連性を認定するのは100条委員会であって、自ら「関係がない」と述べているがために「正当の理由がある」とするのは本末転倒です。

 確かに、前市長が念書の作成に関与したか否かは明らかになっていません。しかし、念書の作成経過を直接知ると考えられる前市長を含め3名は不出頭であり、全く関与していないとする客観的証拠は存在しません。

 さらに、銚子市に多額の財政負担を求める可能性がある書面の作成にあたって、前市長が何らの関与もしていないとすることは常識的に見て不自然で、100条委員会がかかる認定をすることはできません。

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